着物について読み物
着物の基礎知識
着物の保管場所について
初めての方にも安心して、長く着物をお使いいただきたいので着物の基本的な保管場所の注意点をご紹介したします。お気に入りの着物を長く楽しむには、保管方法が大事です!
着物を楽しんだ後は?1度着用した着物は、クリーニングを出すことをお勧めします。お出かけなどで着た着物は目に見えないホコリや汚れがどうしてもついてしまいます。ご家庭での簡単な対処では、どうしても取りきれず、シミやカビ、虫食いなどの原因になってしまします。また汗や湿気などを取り除いておく必要もあります。着物も洋服と同じなのです。また次の着る機会が決まってなく、長い間着用しないで保管するという場合はクリーニング店での丸洗いや汗抜き、染み抜きなどをお願いすることが長期間、綺麗な状態で維持することに繋がります。
また着物を和服用の”たとう紙”に包むのもお忘れなく!たとう紙は保管中のホコリから着物を守り、さらに通気性も良いので保管に向いています。何でもお手入れが大事ですね!ではきれいにクリーニングしたお気に入りの着物はどこに直しておきましょう?
保管する場所の環境が大切!
着物にはデリケートな素材が多く使用されているものも多く、保管場所に注意が必要です。
昔は桐タンスにいれて保管されていました。桐タンスには湿度を調整してくれるので、着物を保管するには非常に向いていました。桐タンスは現代ではなかなかお持ちのご家庭も少なくなってきており、高価なものも多く、用意するには少しハードルが高いですよね。洋服用の洋ダンスでも問題ない。1つ注意が必要なのは、着物を収納するために作られているものが少ないので着物のサイズとタンスの引き出しのサイズが合うかの確認が必要です。収納場所のサイズが小さいと、大切な着物がシワになってしまいますので注意してください。プラスチック製の収納ケースは?洋服などを収納するのに便利なプラスチック製の収納ケースはどうしても湿気がこもってしまいますので、少し注意が必要です。また、タンスに比べると密閉性が下がってしまいます。そのため、ほこりなども入りやすく、どうしても溜まってしまいます。定期的にお掃除と換気もかねて、ケースから出して引き出し内をお掃除するのが良いです。市販の除湿シートや防虫シートなどもうまく使って収納しましょう。
収納を置いているお部屋も気にしておきましょう!
まずはお家の風通しの良い場所を探してみましょう。着物の保管するには湿気が大敵です。前述した通りデリケートな素材も多い着物は、湿気に弱く、カビが発生しやすいです。高温多湿の部屋で保管しないように気を付けてください。
マンションは気密性が高くて、どうしても湿気が溜まりやすい環境となります。お風呂場やトイレなどの水回りに隣接するクローゼットなどは避けた方がいいですね。
また日当たりのよいお部屋も避けた方が良いです。着物を保管するうえで、前述したとおり高温多湿は天敵になります。日当たりのよい南向きのお部屋や西向きのお部屋は、日光の影響を受けやすく、どうしても室内の気温が高くなります。そこで着物を保管すると、高温の環境に長期保管することになってしまいますので、こちらも避けた方が良いです。極端な温度や湿度変化は着物の保管に悪影響を与えることがあります。安定した環境を保ち、高温多湿やまたその反対の低温乾燥を避けるように心がけてみましょう。
まとめ
まずは着物はデリケートであることを覚えておきましょう。そして、長期間保管をする前には、クリーニングに出して、汚れや汗などをきれいで清潔な状態に。きれいにクリーニングをしたら、きちんと畳んで”たとう紙”で包み保管する。保管場所は、お家の中で風通しが良く、日当たりのよい部屋は避けましょう。収納には桐の和ダンスがオススメですが、洋タンスでも代用は可能。プラスチックケースの収納は湿気とほこりにご注意。また着物を保管している際には、定期的に状態も見てあげてください。ダメージが出てないかな?変色やシミはないかな?畳み跡やシワがないか?定期的に出して確認してあげてください。
少しでも皆さんの着物ライフが楽しくなりますように。
帯の種類と格式について
日本の伝統的な着物コーディネートにおいて、帯は重要なアクセントとなります。様々な種類の帯があり、それぞれの式やシーンに合った選び方が求められます。初めての方に向けて、帯の種類や各式について詳しくご紹介します。【着物一枚 帯三本】【着物千両 帯万両】という言葉があるのをご存じですか?帯は着物姿の第二の顔をも言われており、実は帯は着物にとって大変重要な役割を果たしています。きちんと着物と合わせてコーディネイトすることで、周囲からの印象が非常に良くなります。まずは帯の種類と使用するシーンを知っていきましょう。 帯の種類について 帯は大きく分けて4種類に分けられます。 丸帯・・・礼装用 袋帯・・・礼装用 名古屋帯・・・お出かけ用 半幅帯・・・普段着・浴衣用 帯も格やシーンによって使い分けが必要で、帯によって着物の印象が大きく変わります。ではこの4種類の帯はどう合わせると良いのか、ご紹介した帯を詳しくご説明いたします。 丸帯(まるおび) 白無垢・色打掛・黒留袖など向けの、フォーマル専用といっても過言ではない格の高い帯です。表裏に柄を入れた仕立てになっており、非常に豪華な仕上がりとなっており、昭和初期までは最も格の高い帯として用いられていました。現在では婚礼用や舞妓さんの衣装として使われています。 袋帯(ふくろおび) 結婚式や披露宴といったフォーマルなシーンで着用します。留袖・振袖・訪問着に合わせます。※留袖、振袖には必ず袋帯をしめ、その他の帯を合わせることはありません。かしこまった席で着用をいただく袋帯は重厚感があり、金糸銀糸がとても華やかな織物です。フォーマルの袋帯として間違いないのが「織り」の袋帯です。一度は皆さんも耳にされたことはある 西陣織 に代表されるような高級な絹織物の帯の格式は高く、格の高い着物である黒留袖や色留袖、訪問着に合わせることができます。「織り」の袋帯だけではなく、「染め」の袋帯もあります。実は「織り」の物よりも少し、格が低いとされております。合わせる着物も 留袖・振袖 ではなく、略礼装の色無地や訪問着に適しています。 名古屋帯(なごやおび) 普段着からお出かけ用として着用されることが多く、カジュアルなシーンから少しかしこまった、お茶会や習い事にも使われます。また、仕立て方と仕上がりの違いとして「九寸名古屋帯」と「八寸名古屋帯(袋名古屋帯)」があります。一般的な名古屋帯は「九寸名古屋帯」を指します。「九寸名古屋帯」を簡略させたものが「八寸名古屋帯(袋名古屋帯)」となります。格式は「九寸名古屋帯」の方が高いです。名古屋帯は、色無地や小紋、付下げに合わせるのが一般的です。紬やお召し などの少しきちんとした印象のあるカジュアル着物にも合わせるのも、オススメです。 半幅帯(はんはばおび) 袋帯や名古屋帯と比べ帯幅が約半分ほどの大きさなので、半幅帯と呼ばれております。基本的に格は低く、カジュアルなシーン向けの帯ですので、小紋や紬、浴衣などの普段着の際に締めるのがマナーとなっています。留袖・振袖のような格の高い着物には締めることはありません。結び方についても多数あり、アレンジもしやすいです。 帯の種類での合わせる着物の早見表 種類...
着物の格とシーン別の選び方
着物と聞くと敷居が高く、なかなか難しいと感じることが多いと思います。 実は基本的なルールを知っておくだけで、着物を着る 事へのハードルが少し下げられます。あなたの毎日のコーディネイトに、着物も入ってくると嬉しいです。では、まずは基本的なルールや着物の選び方についてご紹介します! 着物には【格】が存在します。 格とは何でしょうか? 普段着ている洋服でも、カジュアルやフォーマルなど、シーンに合わせた服装を選ぶと思います。 それを格と言います。 着物も同様にシーンに合わせた着物があります。 簡単に分類すると【正装】・【おしゃれ着】・【普段着】の3つに分類ができます。 3つの中で一番、格が高いのは、【正装】となります。 格の高い順ですと 【正装】 > 【おしゃれ着】 > 【普段着】 となりますね。 例えば、結婚式やドレスコードがあるようなパーティなどへ参加される際にカジュアルな普段着で行くのは少し場違いになってしまい、恥ずかしいですよね? そのシーン毎にあった格のファッションを選ぶことが大事です。 ではもう少しだけ着物の格について詳しくご紹介します。 正装の中には礼装着(第一礼装)と略礼装着(順礼装着)があります。 ▷ 礼装着(第一礼装)冠婚葬祭など式典のような改まったシーンで着られる最も格が高い着物となります。・打掛、黒留袖、喪服、本振袖など 【打掛】女性が結婚式着用する着物の1つ。女性用の和装では最高の格式とされています。結婚式で花嫁が着る白無垢や色打掛などがこれに当たります。「小袖の上から打ち掛ける」ことから、打掛と呼ばれるようになりました。【黒留袖】黒地の留袖で背中と両胸と両後袖に計五つの家紋が付き、裾まわりにだけ柄が入っています。生地には、一越縮緬(ちりめん)などの地模様のない、縮緬(ちりめん)が用いられます。既婚者のみ着用でき、とても格が高いので、着るのは結婚式や披露宴に限られます。着ることができるのは、新郎新婦の母、仲人の妻、新郎新婦の姉妹など、ごく近親者だけです。【本振袖 (大振袖) 】本振袖とは、袖丈が104cm~120cm前後あり、くるぶしくらいまでの長さがある着物のこと。大振袖とも呼ばれています。黒地に五つ紋付きの振袖を「本振袖」と呼んでいたそうですが、現在では黒や白、色物の振袖も本振袖と呼んでおり、未婚女性の第一礼装となっています。また、地色が黒・白・赤の本振袖は、明治時代の頃から花嫁衣裳とされたため今でも和装のお色直しに使用されます。婚礼ではお引きずりのスタイルで着ることもあります。婚礼用の本振袖に比べて、絵羽模様が軽いものや部分的な柄染めのものもあり、成人式や結婚披露宴やパーティーなどにも着用できます。【喪服】喪服は喪主などが着用する、弔事の際の第一礼装です。黒一色で、五つ紋の入ったものが正式な喪服となります。 ▷ 略礼装着(準礼装着)入学式や結婚式やパーティーのようなフォーマルなシーンで着用する着物です。・色留袖・訪問着・付け下げ・振袖・色無地・江戸小紋などが向いています。 ...